雨宿り

「雨宿り」

ねえ、この雨が止むまでは
同じ軒下に居させてよ
前にも後ろにも進めないなら
無駄話をして過ごそうよ

雨に滲んで見えない明日も
水たまりに沈んだ足跡も
無理に手を伸ばしてみても
冷たい雨がかかるだけなら

ねえ、この雨が止んだなら
きっと澄んだ世界が広がる
この軒下からどこへでも行ける
夢語りをして過ごそうよ

WHITE

「WHITE」

髪の長さを揃えたら
同じ衣服を纏ったら
フリルとリボンで武装して
きっとあなたに成り代わる

眼鏡まで入れ替えたなら
視力なんて合わないから
未来にだけピント合わせて
きっとあなたを救い出す

過糖ミルクティ

「過糖ミルクティ」

甘い言葉を溶かして溶かして
今の自分を甘やかす

理屈と本音をかき混ぜかき混ぜ
くだらない枷を飲み干して

生温い夢に沈んで沈んで
心地良さだけを味わって

愛しい理想を浮かべて浮かべて
欲深い明日を満たしたい

余韻

「余韻」

レースで縁取る日記帳
昨日の私を彩って
色鉛筆のグラデーション
曖昧な愛を慰めて

夢うつつの中思い出を
手の平でまた再生して
カメラで切り取る外側を
思い出すこともなくなって

言葉に託した連想を
並べ替えては見失なう
確かな温度だけ信じた
私の心に響くもの

空転

「空転」

晴れの日を待ちわびる
砂時計が落ちるまで
夕刻の哀愁に
寄り掛かって息を吐く

水たまりを撫でる風
窓の外の情景詩
波紋ひとつ揺らすたび
チョコレートが溶けてゆく

読みかけの本を閉じて
机に放り出したきり
溢れかけた停滞を
今はまだ引き延ばして

明日の音色浮かべたら
光の色移ろいで
独りのメリーゴーランド
きらきらと繰り返す