まほうのうた

「まほうのうた」

まほうのうたを忘れないように
光の途絶えた森の奥
君が笑顔を忘れないように
まほうのうたを口ずさむ

音にゆらめく色彩を
闇にきらめく感傷を
奇跡みたいな一瞬は
触れるだけで花開くから

まほうのうたが届きますように
扉を閉ざした部屋の中
君の笑顔を忘れないように
まほうのうたを繰り返す

ゆめいろ

「ゆめいろ」


夢が咲いたら

星が舞ったら

眩い花が煌めくなら


炭酸が弾ける度に

色が移ろい変わっては

魔法みたいに綺麗に見えた

君の笑顔が焼き付いて


夜に落ちたら

音が満ちたら

藍色が君を照らすなら


熱に揺れたら

風に溶けたら

夏の余韻に溺れたら

一片

「一片」


上手く足が着かないんだ

季節が混ざって迷い込んだ

感情の名前が見つからなくて

どうして雨は降り続いて


千切った紙が風に散るように

空中分解していく言葉

ほんの揺らぎにまた崩れ出して

何処にも辿り着けなくて