2024-04-29 過糖ミルクティ 詩 「過糖ミルクティ」 甘い言葉を溶かして溶かして今の自分を甘やかす 理屈と本音をかき混ぜかき混ぜくだらない枷を飲み干して 生温い夢に沈んで沈んで心地良さだけを味わって 愛しい理想を浮かべて浮かべて欲深い明日を満たしたい
2024-03-10 余韻 詩 「余韻」 レースで縁取る日記帳昨日の私を彩って色鉛筆のグラデーション曖昧な愛を慰めて 夢うつつの中思い出を手の平でまた再生してカメラで切り取る外側を思い出すこともなくなって 言葉に託した連想を並べ替えては見失なう確かな温度だけ信じた私の心に響くもの
2024-02-05 空転 詩 「空転」 晴れの日を待ちわびる砂時計が落ちるまで夕刻の哀愁に寄り掛かって息を吐く 水たまりを撫でる風窓の外の情景詩波紋ひとつ揺らすたびチョコレートが溶けてゆく 読みかけの本を閉じて机に放り出したきり溢れかけた停滞を今はまだ引き延ばして 明日の音色浮かべたら光の色移ろいで独りのメリーゴーランドきらきらと繰り返す
2024-02-05 扉 詩 「扉」 積もり積もって心をうずめて奥底は息が持たなくて 遠くの光がぼんやり霞み視界はくらり崩れ出す ほんの小さな温もりだけが此処が今だと知らせてる 風が止むまで波が引くまでこの心をまだ閉じさせて
2023-11-27 周回 詩 「周回」 冷たい風が吹き抜ける度やけに後ろを振り返ってしまう期待はいつも形を持たずに徒に枯れ葉を巻き上げる どうして今も探しているのどんな幸せも過去になるのに愛しい温度を憶えていてもこの寂しさは埋まらないのに 重たい音色が軋む扉を閉じれないまま夜が明けたら朝の光は祝福のように君と同じ世界を包み込む どうして今も恋焦がれるのどんな幸せも降り積もるのに愛しい温度を思い返せば溢れるほど満たされるのに
2023-11-06 紙吹雪 詩 「紙吹雪」 何かになれそうな期待とか何かを失う不安とか図々しい感情を纏っては無理に手を伸ばしてしまうんだ ちっぽけな僕じゃ届かなくて思ったより距離は果てなくて勘違いを重ねた世迷言がもしもエールになったのなら きっと僕の存在は君の人生に降る紙吹雪だ重なった道で君の今を鮮やかに祝福して消えてゆくんだ ちょっと派手に散らしただけさだから前が霞んで見えるんだいつだって君の目の前は輝かしい未来の光が照らしてるんだ
2023-10-17 星屑夜道 詩 「星屑夜道」 道端の小石に躓くような暗がりの旅路に怯えてる身軽な荷物はやけに心をさらけ出してしまいそう 何処にも留まれないはやる気持ちが時計を回す大人になれない願いが情けなさを引きずってゆく 小さな星の灯を辿って地図にない未来を探してる仄暗い夢をまだ抱いて忘れたくない想いこの夜が果てるまで